Column - 多事総論 -

 ジラフの世界観をお伝えするコンテンツ「多事総論」
 第2回目はジラフ代表取締役中津昌彦が
 クローン人間と知能型ロボットについて語ります。

クローン人間と知能型ロボット
        それは神への挑戦なのか!?

 オリジナルを超えるオリジナル。
人間という生命体が神の万物創造だとしたら、これから先の未来
私たちは神に逆らう結末を迎えてしまうのか。

 人間に限らず細胞や臓器いわゆる人の体などをコピーすることが出来る技術、簡単に言ってしまえばそれがクローン技術。動物を用いた個体レベルでの研究が重要になってくるが、人の病気の治療や予防法の開発に有効に利用されている。
実験動物の90%以上はマウスとラット。そして残りの何%かに人間がいるのです。

 不死への科学的アプローチ。
人間がマウスやラットのようにモルモットと化している訳ではなく
自らの意思で「究極の延命」に懸けている人たちがいるということ。それはどんな方法で行われているのかというと・・・
「遺体の冷凍保存」
未来における蘇生に望みをかけて、液体窒素の中で遺体を冷凍するのです。人体は常時マイナス200度に保たれ停電の心配もない。遺体を収納する断熱処理を施されたユニットは、まさにハイテク魔法瓶のようなものだという。

 ヒトゲノム計画からはじまりクローン人間の創作まで、この研究は1年や2年で完結するような簡単なものではないのは勿論なのだが、長期間かけて1つのものを追求するという意味ではそれの良し悪しは別として凄いことだと思う。
未来を視野に入れて未来を築くために長期間かけて研究されている分野がもう一つある。それはロボット産業。

 21世紀はロボットの時代!?
「ヒューボ」対「アシモ」
私たちが韓国ロボット「ヒューボ」の成果に驚き満足している間に、ホンダはわずか1年の間で歩くロボット「アシモ」を走るロボットにグレードアップさせることに成功しました。
韓国型ヒューマノイド・ロボット「ヒューボ」の開発者である オ・ジュンホ韓国科学技術院(KAIST)教授も「アシモ」の素晴らしさを認めている。
知能型ロボット製作に関して世界でトップを行くのが日本なのだ。
日本は全世界の知能型ロボット需要の60%を占めているほか、政府や企業が結束しロボットづくりに向け躍進している。その後を米国・ドイツが必死になって追いかけている状態なのです。
国内の専門家たちは、韓国との競争力を100とした場合、日本は121水準とみている。つまり総合能力の面で10年の開きがあるということ。
 日本のロボットの未来は「アシモ」に代表される。
 2000年に公開され今年で6歳を数えるアシモだが、毎年もの凄いスピードで進化を遂げている。1.6キロの歩行スピードは6キロと世界最速のスピードになり、さらには障害物も避けジグザグに走る能力も備えた。階段を上り下りしたり、曲線歩行したりすることも可能になっているのだ。

 見た目も人間に近いロボットとクローン技術を比べたとき、クローン人間に関しては、当然だがまだ完全な人間は創られていない。しかし問題のある臓器や老化した細胞を若く健康なものに取り替えることは可能になるだろう。
 幹細胞治療の実現。
身体のどの細胞にもなれる性質を持った非常に若い細胞、ES細胞は、かなり多くの病気を治すものとして期待されている。問題は、患者の免疫システムから異物として拒絶される可能性があることだ。これを避けるため、患者自身の体からクローン胚をつくる研究が進められている。ES細胞の採取は、一般的にその過程でヒトの胚を犠牲にするものであるため、殺人行為だとする意見もあるが、私が思うにそれで問題が完全になくなるとは なんとも断言しずらいところだ。
 動物実験において、1997年 世界初のクローン羊「ドリー」が誕生したことは
有名な話だか、やはり生命体を丸々コピーしたというそのニュースは衝撃的だった。しかし、一見成功にみえたこの「ドリー」実は足の関節に支障をきたしたり病気がちで、間もなく死亡しているのだ。完全な成功だったとは言えない。
実はクローン技術は、すでに古来よりあった技術で花のさし木やチューリップの球根は、植物のクローン技術と言えるのです。それを考えたとき、一見成功と思われた「ドリー」のクローンが完全成功に終わらなかったことは、やはり何か踏み入れては行けない領域に人類は片足を突っ込んでしまったという感は否めないのです。
 新しい産業へ
クローン技術も知能型ロボットも21世紀にはビッグマーケットとして歩き出すことは間違いないと私は考えます。実際どんなことが起こるのか。
 病院、医療機関等では、「細胞チップ」なるものが出来て、個人に合わせて細胞レベルでの治療が可能になるでしょう。
極端な話「ちょっとガンを治してくるね!」と病院へ足を運ぶ時代になると私は考えます。ヒトゲノム計画よりさらに人間のDNAがハッキリとした地図となり、人間自体の寿命も10〜20歳は延びるでしょう。

 知能型ロボット2030年には車並みに
パソコンが私たちの予想を遥かに超えた勢いで普及していったように、知能型ロボットも2030年くらいには「行動力を持つコンピューター」として進化し値段も車並みになると私は予想しています。ロボット用中央演算処理装置(CPU)の性能は10年前に比べて8000倍。仮に100万台が普及すれば、ハードやソフト、コンテンツ開発の為に大量のハイテク技術者の雇用機会を生み出す。そうなれば、保守や訓練センター、中古販売などネットワーク的にビジネスが広がっていきます。具体的に言うと、高齢者がロボットを使って自分の身の回りのことをこなすほか、自らの経験や知恵をロボットの力と合わせて壮年期と同様に働けるようになるということです。楽しみにしているのは、個人の仕事や能力に合ったロボットを設計するサービス業が出てくること。
私がはっきりと言いたいのは『現在の延長で考えた未来はない。』ということです。ハードを売って儲けるのではなく、ロボット共生社会の実現に伴う様々なサービスが雇用機会を生み出す。その時点で単純に計算しても8〜9兆円くらいの経済規模になると予測します。

 未来問題発生
私がクローンとロボットの話をなぜしているのかというと、クローンもロボットも最終的に目指すところは「人間」だということにあります。ついに人間が人間を創る時代になってしまったということ。なぜこんなことを言うのか?
みなさんは気にならないでしょうか。
「遺体の冷凍保存」は液体窒素の中での保存になりますが、未来の保存方法と違った場合それだけで無意味になってしまう。カエルなどの小動物と違い低温環境に順応しない人間のような大きな生き物を冷凍すれば、解凍したときに全ての細胞が破壊されてしまうだろう。生き返るどころか、見た目にも支障がでるとの声もある。真実はそのときが来るまで、今の段階ではわからないのです。
 仮に細胞レベルで完全なクローン人間ができたときのことを考えるとしましょう。
  心、魂はどこへ
心臓も動き細胞も生きていたとしても、私はそのクローンが本来の人間のように意思を持って、感情を持って生きるとは思えないのです。私は無宗教者ですが、「もし魂の存在があるとしたら・・・」と考えたとき
それは始めから無謀な実験でしかないのではないかと考えてしまいます。
 第二次世界大戦中(1939年〜1945年)
ドイツ軍は非公式におぞましい人体実験をしていたといいます。捕虜の身体から血液を抜き取り、その血液を見せる行為。当然致死量に至った時点で捕虜は死亡した。
 実際は、捕虜から抜き取られた血液は体内に戻されていて、捕虜が見ていた血液は豚の血液だった。健康な状態のまま精神的プレッシャーのみで死に至らしめた。
人間は精神だけで肉体まで滅びてしまうこともある。

「体と心と魂」が人間の身体にはなければいけないものだとしたら、出来上がったクローンもただの人形になってしまう。魂があったとしても、目に見えないそれをどうやって創り、身体に閉じ込めるのか。
 そして何よりも耐え難いことは、意思を持ったクローン人間、まさに人間が人間を創ってしまったとき、創られたクローン人間には母親が居ない、家族が居ない、何も無いということです。なぜ生きているのかも分からず生命を与えられて生かされている。一筋縄ではいかない社会的問題や人権的問題は避けられないでしょう。
 生物と違ってロボットが意思を持つことは未来永劫100%あり得ないはずです。ただし、量子コンピューターが実現するとすれば100%否定することは出来ない。そうなったとき、またクローン人間と同様の問題が発生してくるでしょう。
 ただ、一概に悪だとは言えない。
形は違っても、人間が人間のためにそれぞれの考えの中で刻んできた歴史なのだから。また私たちはそれを止められない。
 どちらにしろ人間を超える人間の創造とは、神をも恐れぬ挑戦なのか。
結末をみるのは怖いです。出来ることならクローン人間の未来はみたくない。

それでも人類はとまれないのです。

最後に

クローン人間や知能型ロボットが創造だとしても、それは時代が生んだ創造であり、善くも悪くもそれは切り離せるものではない。

アートとは創造であり製造ではない。

 クローン技術にしろロボット産業にしろ、製造で終わらせない未来を期待している。
この時代に生きるものとして、またアートに携わる企業として時代を切り開く創造をしていきたい。

ジラフ代表取締役 中津昌彦

このコラムを書いたのは、この人。
中津 昌彦(ナカツ マサヒコ)

・ファッション誌からペットまでジャンルをとわず活躍。誌面・インターネットでの講義や講座も定評が高い。
また、音楽家としての一面も持ち、過去には映画音楽を手掛け、国際的な音楽賞を受賞した経歴を持つ。
・吉本ペットクラブ公認カメラマンでもあり、特にペットを撮影する手腕には定評がある。
・現在、メディアを越えた企画創作組織ジラフの代表として活躍中。

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